銀白虎




蓮見、冬弥……。



蓮見くん………。






―――…予感は、あったんだ。




ただ、それでも心臓がドクンドクンと激しく鳴っている。





「…あいつは、早目に潰しとかないと、な」



そういう、ヤクザ事情はわからないけど…。



それでも、なぜ。



「……なんで、あたしを…?」



―――…此処に連れてきたんだろう。





「だから言っただろ?あんたが、唯一の弱点だからさ」



「…弱点……?」



「ああ。あいつの周りを張っといてよかったぜ…大収穫だ」



なんて卑怯なやつら。そうしないと勝てないなんて、はなっから負けてを認めてるようなもんじゃないか。

下らなすぎて、そんなことに巻き込まれたかと思うと、ハッと渇いた笑いが起こる。




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