銀白虎
……だけど、それ以上に。
「…無駄なんじゃない?」
「ああ゙?」
“アキオ”が来てから、あまりしゃべらなくなったそいつが、苛ついたようにあたしを見る。
まるで、番犬みたいだ。
「…蓮見くんは、来ないよ。絶対に……来るわけない。」
そう、来るはずがない……
だって、あたしは嫌われているんだから…。
そんなやつを、わざわざ助けにくる義理なんてないだろう……。
そんなの、ただのお人好しだけだ…。
わかってる。嫌な位頭では、理解してるのに、
自分で言っていて、泣きそうになっている自分が悔しい…。
「ふぅ~ん、」
アキオはまた、お得意のその何かを見定めるような楽しそうな表情。
あたしの嫌いなやつらは、みんな、こんな奴ばかりなんだろうか―――…。