銀白虎






「じゃあ、あんたの身になんかあっても、そうかなァ?」




口元に開いたピアスを、べろっと舐める。




まるで捕食前の蛇のよう…。






「それいいっすね!!こいつムカつくし、殺っちゃいます!?」




……死ぬのは、そんなに怖くない。




生きてる方が、辛かったから…。





殺されるなら、それでもいい…。




「……いや、」



アキオは、


あたしに、近づいてくる――…。




この人は、雰囲気だけで人を恐がらせられる。


それくらいの、威圧感。




逃げたいのに、体が……動かない…。




あっという間に、間合いを詰められ、顎を掴まれた。




「…こっちのがイイ」




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