銀白虎
そう言った刹那、
唇に感じた異質なもの。
一瞬――…、何が、起こってるのか、わからなかった。
速すぎて、避けることすらできなかった……。
「…んーっ!んんっ!」
がっしりと、頭を押さえ付けられて、逃げられない。
息すら、つけない。
苦しい…。
それ以上に、嫌悪感と憎悪…。
あの人とは、全然違う―――…熱いようで、凄く冷たい…。
無理矢理は、初めてじゃないのに、なんだろう。
もっと、違う。気持ち悪くて、とにかく嫌で、嫌で…。
悔しくて、悔しくて…。
涙が、勝手に沸き上がってくる。
いやだ。こんなやつの前で泣くもんか!!
女だからって、ばかにされてたまるか…っ!
「…っ!!」