銀白虎
充分恐がっている……、
それが伝わってないのなら、少しだけ救われたような気がした。
だけど、やっぱり震えてしまう手のひらをぐっと握った。
「なんでそんなに嫌われちゃってんだろーなー。悲しいなァ」
わざとらしく、手のひらを横に広げる。
「じゃあ、銀白虎も一緒だろ?嫌いなんだろ?」
「………………」
あたしは、答えられなかった…。
一緒、だ………けど。
「…うーん、あいつの苦しむ顔が見たかったけど、お前の悲しむ顔も見てみたいなァ」
クスクスと、笑う耳障りな音。
一体、何を企んでるの?
考えてることがわからなくて……怖い。
だから余計に、蓮見くんには来てほしくない…。
「…無駄、絶対来ない」
「どうしてわかる?」
カツ、と一歩間合いを詰められる。
「…来るわけないっ!」
それは、お願いだったのに。
「…じゃあ、あれは何だよ?」