銀白虎
目は覚めたけれどまだ何か物足りない。
思わず欠伸が出る。
『…ったく…。
じゃあ気を取り直して転校生っ。自己紹介してくれ』
転校生?
先生の声に反応する。
ああ…
そういえば朝そんなことを言っていたような気もする。
『はい!』
凛とした綺麗な声……。
『蓮見冬弥です。
家の事情で転校してきました。よろしくお願いします』
キャーー!
あたしは思わず耳を塞いだ。
すげぇな、おい…
一斉に女の子達の黄色い声が飛んだ。
後ろの席から眺めると、
女の子達はみんな顔を赤くしていた。