銀白虎
どうして、こんな広い世界の中で。
君に出逢ってしまったんだろう。
バイクに乗っている姿を、初めて見た……。
そんな呑気なことを頭の隅っこで考えるあたしは、
やっぱり、どこか可笑しくなったみたいだ。
エンジン音が、まるで威嚇するように、まだ響き続けてる…。
「…ふっ、まさか本当に来るとはなァ」
挑発するような喋り方、
なんでこんなにもこの人は…楽しそうなんだろう。
「ははっ!こりゃ傑作だなァ!…銀白虎!!お前もふつーの人間だったんだなァ!?」
叫びながら、
にやりと、口角を歪ませる。
恐い、
この人は本当に……恐い。