銀白虎
……しまった。嵌められたんだ。
「…行くわけ、ない」
「君は来るよ。自らね」
このままじゃ、アキオのペースに、飲まれる…。
飲まれるな、飲まれるな、あたし…。
「…ばかなこと言わないで…っ!」
「―――…知りたくないの?」
「…っ!」
にっ、と。アキオが口角をあげる。
それは“合図”だった。
あたしの、負けだという………。
あたしは、どこまで弱いの…………?
あたしは、
一体……
いつになったら……
強くなれるの…………?
バサッ―――
いきなり、目の前が暗くなった…。
それはあたしが目を閉じたからなのか、それとも他のものなのか………わからなかった…。