銀白虎
白虎組
ビクッと肩が震えた。
も、もしかして…この家の人かな?
なぜか怖くなって、振り返るのに躊躇した。
「ワン!」
わんちゃんがあたしの腕の中で吠えた。
「虎丸…?」
とらまる?
それがこのわんちゃんの名前なんだ…。
「おい、お前誰だ?一体ここで何やってんだ」
そう低い声でいわれ、びくびくしながらも勇気を振り絞る。
「あ…あのっ!その、わんちゃ…虎丸ちゃん?を飼い主さんの所に連れていってあげたくて…っ!」
立ち上がって、振り返った。
え……?
嘘……
なんで……
そこには、予想を遥かに越えた人が立っていた。
あたしは状況がイマイチ把握出来ず、固まって。
そして相手も、あたしを見ながら固まっていた。
「…蓮見くん?」
あたしの口からその人の名前が滑り落ちる。