銀白虎






そしたら、腕をぐいっと引き揚げられた。



それに合わせて、身体全体も引っ張られて。







熱い、両腕に、捕まった……。





「…だから、今はまだ、我慢してろ。お前の今苦しい気持ちも、憎い気持ちも、全部―――」






耳元に響く、芯のある声…














『いつか俺が、あいつに復讐してやる』














「……そんなの…、」








そんなの、嘘に決まってる――――












だけど、






だけど、




勝手に、涙が、溢れてくる―――














「…信じ、らんない……」





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