銀白虎
なんなの?
なんなのっ!?
涙がどっと、溢れてくる。
今、何が起こった…?
キス、された…?
「ふーん…」
声が聞こえて少し顔をあげると、彼が中腰になりあたしを見下ろしていた。
「初めてだ?」
その言葉に顔が真っ赤になる。
そう、今のがあたしのファーストキス…。
あたしだって女の子だ。
憧れのシチュエーションとか、相手は好きな人とか…、夢はあった。
それをこんな形で奪われるなんて…。
あたしが彼を睨むと、さっきからする、嫌な意地の悪そうな顔をして皮肉そうに笑う。
知らない…。
こんな蓮見くんは知らない…。