銀白虎
「ちょっとトイレ。河南ちゃんは?」
3年生の階にいるってことは、やっぱり神崎くんかな?
「…神崎先輩、教室にいる?」
恥ずかしいのか、頬をほんのり赤くして。それを隠すように睨みながら聞いてくる。
な、なんか……今きゅんと来たんですけど!
あー、ツンデレね。あの噂のツンデレなのね。ツンデレグッジョブ!!
「あー、教室には居なかったと思うよ。お昼誘いに来たの?」
「…そうよ!悪い?」
うーん。やっぱりまだ敵視が消えないなぁ。
誤解なのに。まだ解けてないのかな。
河南ちゃんと仲良くなりたいのになぁ…。
「神崎くんなら、多分……もう校庭でサッカーでもしてると思うよ。」
にこっ、て笑いかければ。
目が合ってたのに、なんでかふいってそらされちゃった。それはさすがに傷つくよー。
でも、仕方ないか…。
「じゃあね。校庭にいるといいね」
教室に帰ろうと後ろに振り返って歩き出したら、
「…ねぇ。」
という声が聞こえて、思わず振り変える。