銀白虎




「ちょっとトイレ。河南ちゃんは?」



3年生の階にいるってことは、やっぱり神崎くんかな?



「…神崎先輩、教室にいる?」


恥ずかしいのか、頬をほんのり赤くして。それを隠すように睨みながら聞いてくる。


な、なんか……今きゅんと来たんですけど!



あー、ツンデレね。あの噂のツンデレなのね。ツンデレグッジョブ!!



「あー、教室には居なかったと思うよ。お昼誘いに来たの?」


「…そうよ!悪い?」



うーん。やっぱりまだ敵視が消えないなぁ。

誤解なのに。まだ解けてないのかな。


河南ちゃんと仲良くなりたいのになぁ…。





「神崎くんなら、多分……もう校庭でサッカーでもしてると思うよ。」



にこっ、て笑いかければ。


目が合ってたのに、なんでかふいってそらされちゃった。それはさすがに傷つくよー。



でも、仕方ないか…。




「じゃあね。校庭にいるといいね」




教室に帰ろうと後ろに振り返って歩き出したら、



「…ねぇ。」


という声が聞こえて、思わず振り変える。






< 376 / 589 >

この作品をシェア

pagetop