銀白虎
普通の大学生
気付いたら、放課後になっていた。
そのことが、あたしの心をまた憂鬱にさせた。
…何故ならば。
必然的に、蓮見くんと顔を合わせなければならないから。
教室では、机にうつ伏せてしまえば、視界を遮ることができる。
でも、今は蓮見くんにお世話になってる身で。
そんなことできるはずもない。
しかし、少しでもそれを先伸ばしにしたいもの。
―――それにもしかしたら。
蓮見くんの家にお世話になるということすら、無しになるかもしれないし……。
昼休みの出来事が、頭にちらつく。
…とりあえず、自分の家に帰って、荷物を取りに行こう。
という、あたしの考えは、
馬鹿馬鹿しかったと知る。
なんか、幻が………
「…ーん!飛鳥ちゃー」
なんか、幻聴も聴こえてきたので、とりあえず耳を塞ぐ。