銀白虎
少し歩いたところにあったのは、
朝乗ってきたものとは違う車。
けど、やっぱり高級車っぽかった。そういうのには詳しくないからよくわからないけど。
ただ、所々にかすり傷のようなものがあった。
はい、と車の扉を開けられ中へと促される。
え?乗るの?
呆けていれば、
「何してんのっ。早く乗って乗って~!」
タケさんの勢いに流され、失礼します…と乗った。
座席はふかっと、朝のようにやはりお尻が深く沈む。この柔らかさには慣れない。
バンッと扉を閉める音が聞こえて前を見れば、
なんと運転席にはタケさんが座っていた。
「…え?」
てっきり朝のように運転席さんがいるのかと思っていたから、驚いた。