銀白虎
「あ、もしかして心配してる?安心してよ~。俺、運転上手いから」
あたしの不審げな顔を見て、そういったのだろうが、
はい、と頷くことしかできない。
…不安要素がありすぎて。
「若に殺されたくないからねー。何があっても、飛鳥ちゃんにはかすり傷一つさせないから。」
その声は、いつもと同じ冗談めいた声色。
なのに、それが冗談じゃなく本気で言ってるんだと、あたしには分かった。
何故ならば、
彼から発せられた空気は、あの独特の殺気に似ていたから。