銀白虎
接近
「…結城っ!」
ハッとしてあたしは顔を上げた。
そしたら、神崎くんがあたしを見ていた。
「はよっ!…どーした?浮かない顔してっけど」
あたし、そんな顔してたんだ…
「ううん!大丈夫…」
きっと無意識に蓮見くんのこと考えてた。
今日学校来るのかな…?
そんなこと当たり前だよね。
顔、合わせずらいな……。
「おいっ!」
「へっ!?」
いきなり神崎くんに頭をチョップされた…。
びっくりして、神崎くんをめっちゃ目ぇ見開いてみた。
「やっぱぼーっとしてんじゃねぇかよ!ホント大丈夫か?」
え?
またあたしぼーっとしてたんだ…。
「…うん」
「もしかして、低血圧か?」
「ううん、違…」
きゃぁぁあー!!と黄色い声が響く。
大きすぎて、思わず耳を塞いだ。
チッ
神崎くんが舌打ちをする。
毎朝のことだが、相変わらず凄いと思う……。