銀白虎
「飛鳥ちゃ~ん、それじゃあまるで嫁入りだよ~」
顔を上げれば、タケさんにからかわれる。
うわっ!なんてことだ!!
恥ずかしいすぎる…!
どうしようかと蓮見くんに助けを求める為に、視線を向ければ……、
必死に、笑いを押し殺していた。
ひどい!助けろやヲイ!
あたしは一人おろおろして、不安を隠すように虎丸ちゃんをぎゅっと抱き締めた。
虎丸ちゃんは、頬っぺたをぺろっと舐めてくれて、慰めてくれる。ありがとう、と少しだけ勇気が出た。
「……嬢ちゃんが、ここで暮らすっていう子かい?」
「…あ、はいっ」
そんな中、話しかけてきたのは、蓮見くんやタケさんより歳の行った30歳くらいの人だった。