銀白虎
「あ、神崎。なによそれ?」
亜美も気になったのだろう。すかさず聞く。
「ああ、なんつーか………男の戦いをしてきた。」
「はあ?意味わかんない」
「俺もよくわかんねぇよ」
はあ、と溜め息をつきながらぐったりとしている神崎くん。なんだかお疲れのようだ。
「へんなやつー」
そう呟いた亜美の言い分も一理ある。
何故なら、彼は大量のパンを抱えてきたから。恐らく、10個は確実にある。
多分購買で買ったのだろうが……それにしても多すぎる気が。
前に顔を向ければ、神崎くんに興味がなくなったらしい亜美は、ささっと自分のお弁当を取り出して、卵焼きを口に放り込んでいた。
それを見て、ああ、そうだ今は昼の時間だった…と思い出す。
ワンテンポ遅れたが、あたしも自分のお弁当を出した。