銀白虎




「はっ!?……ちっげぇよっ!俺はお前が…」


「結城さん行こう」


へ!?

と言い、腕を引っ張られた。



途端、きゃぁぁあ!!と響く声たち。



「おい!」


神崎くんの叫びも気にせず、蓮見くんはどんどん歩いてく。



誰か、助けて〜!!

心の中で叫んでみるものの、無駄に終わる。



一応抵抗はしてみたものの、やっぱり勝てなかった。


廊下で女子から視線が痛い。



「…手、離して!」

蓮見くんにだけ聞こえるような小さな声で言った。


「無理。あんた逃げるし」



……昨日の蓮見くんだ…。


低い声と喋り方。

さっきとは全然違う…。



そのまま、屋上に連れてかれた。





「……言ったよな?」



あたしを見つめる冷たい目。



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