銀白虎






「どうして、結城にばっかりいちゃもんつけてくるんですか?」


「……それは彼女が問題行動ばかりとるからよ。本人は少しくらい心当たりがあるじゃないかしら?」



そういって不敵にあたしを見る美和先輩。



…たしかに、なくもない。ていうか、大有りだ!


蓮見くん家に居候しているなんてバレたら、ファンクラブどころか全校女子を敵に回すことになる!!



やばい。あたしいま、とんでもないことしてるんじゃないか…!?



今さら気づくあたしもばかだけど……。





「それは直接、聞いたらいかがですか?あなたたちの大好きな、王子様にでも」


「……あなたと話していても、時間の無駄のようね。」




あたしがそわそわしている間に、


話は途切れ、バチバチと火花を飛ばしながら睨み合う二人。






「まあいいわ。結城飛鳥さん、あなた覚悟しておいて頂戴ね?」




やっぱり、とても綺麗な笑顔だった。


でも、怖くもあって。




だけど、この人も一緒なのか、と思った。








好きだけど、それを伝えることができない。












なんで、苦しいばっかりなのに、


“好き”を、捨てることは出来ないんだろう?











「…かーんざきせーぱいっ!」



ファンクラブの人たちと入れ違いで入ってきた、河南ちゃん。




今日もかわいい、笑顔。





< 463 / 589 >

この作品をシェア

pagetop