銀白虎








え?え?え?


こんな高級そうな住宅街の家に入っていくとは思ってもいなくて驚いた。



虎丸ちゃんの知り合いでもいるのだろうか?

あたし着いていっていいの!?



ぷちパニックで、とっさに頭をフル回転させて考える。


どうしよう?ここで待ってた方がいいかな?いやでも………




「わん!」


虎丸ちゃんの鳴き声がして、顔をあげる。



やっぱり普通の家よりも断然大きい庭が広がっていて。


虎丸ちゃんは、そこに置いてある一台の車の前で止まってて―――――よく見れば、それは見慣れた黒塗りの車。





「結城さん!」


フルスモークになっている窓を開けて、手をあげてあたしを呼ぶ遠山さん。



それを見て、ホッと安心して、車に駆け寄った。








いつもは道路脇に止まっていると目立つこの車。だけど、ここではみんな似たような車ばかりだっただから、全然違和感がない。








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