銀白虎








今日は休日で。

いつもなら、家―――蓮見くんの家で、家事など手伝うこともあるが、あたしがやると余計な気を使わせるので、基本的にはごろごろと1日を過ごす。


そして、いつも通りごろごろと過ごしていたのだけど………も。



「出掛けてこい」と。


突然、蓮見くんに言われた。


そりゃ驚きなんてもんじゃなかった。むしろ、驚きすぎて無言になってしまったくらいだ。






出掛けるのを禁止したのは、蓮見くんだ。“あいつら”に狙われてるかもしれないから。なのにどうして……




「買い物とかしてくればいい。金はコレ使えばいいから」


と、あたしがアレコレ考えている間に、勝手に話は進んでいて、渡された金ぴかなカード。


…使えるわけがなかった。

それに一応、それくらいのお金は持っている。



だから、返した。だけど受け取ってもらえなかったので、使わなければいいか、と形だけ受け取った。






――――とこまでは、まだ良かった。





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