銀白虎

「…ご、ごめんね？付き合わせちゃって。どこかで休もうか？」



だから精一杯、気を使ったつもりだったのだけど……。




「なんかお前勘違いしてねぇ？別にお前の為にこんなことしてるわけじゃねぇから。お前がどうなろうとどーでもいいし」



淡々と、全く興味がないという声。

その可愛い顔は、いつもあたしの前では無表情だ。




「だいたい若に言われなきゃ…」


とそこで止め、チッと舌打ちをして、黙ってしまう。




それでも、機嫌が悪いはひしひしと伝わってきた。



あたしと居ることが、相当嫌なのだろう。






でもそれなら。引き受けなければ良かったんじゃ…、そう思いつつも。



竜くんの中に“拒否”という選択肢はなかったのだろう、と思う。


…例え、内心どんなに嫌でも。





彼の蓮見くんに対する“尊敬”は、すごい。








やっぱり、もう帰るのが一番かな、と考えいたら。




「…あれ、竜？」



そんな声が聞こえたかと思えば。


竜くんと同じくらいの男の子がいた。


…友達、かな？