銀白虎
「珍しいね、竜がこんなとこいるなんて」
「別に…」
素っ気ない竜くんに笑う少年は、竜くんに負けず劣らず、整った顔立ちをしている。
「…てか、女連れ?竜が女といるなんて、明日は槍が降るんじゃない?」
「うるせぇよっ」
本気でウザそうな竜くんをからかって、くすくすと笑っている少年。結構仲が良いのかも、なんて思った。
「だいたい竜は潔癖すぎるんだよ。いくら女が苦手だからって…………え。…おねーさん?」
「え?」
“おねーさん”?
どっかで聞いたことあるようなこの感じ…。
「覚えてないですか?神崎翔の弟の…」
「あ!」
女装姿の神崎くんを拝みにウチの文化祭にきた、天然の神崎くんの弟くん!!
「わあ~覚えててくれたんですね!嬉しいなぁ」
あたしが閃いた顔をしたら、本当に嬉しそうに、にこにこと可愛い笑顔を向けてくれる。相変わらずなんて可愛いんだ!
「また会いたいと思ってたんですよー!兄さんからじゃ、埒があかないしー」
そして相変わらず、この兄弟は力関係が反転してて…。
「あ、竜とはクラスメイトで……あれ。てか、なんで飛鳥さんと竜が?」
……………もっともな疑問だ。