銀白虎








だけど正直、要くんが来てくれてホッとしてる自分もいる。


竜くんの醸し出していた空気が、幾分か落ち着いたから。






「俺、ミートソースにしようかなぁ。飛鳥さん、何にしますー?」



「…あ、じゃあイチゴパフェにしようかな」



今からがっつり食べたら、夕飯食べれなくなっちゃうし。





「イチゴパフェ、かぁ」


あたしが言ったのを繰り返して……チラッと、竜くんの方を見た要くん。


なんだろう?




「竜は、オムライスでいいよな?」



聞いた言葉は、イチゴパフェとは、まったく関係なかった。気のせいかな。





「…………ああ。」


かなり溜めてから、頷いた竜くん。







「あ~、飛鳥さんに知られたのが恥ずかしいんだろー?こいつこんな態度だからあれだけど、見た目通り、オムライスとかハンバーグとかお子様メニュー的なものが大好きなんですよ」



要くんは怖いもの知らずだと思う。


にこにこと隣から笑いかけてきて、

あたしの方が前から凄い勢いで飛んでくる殺意の籠った視線に、ひやひやした。



「恥ずかしくなんかねぇよ!だいたいお子様メニューが好きなわけじゃねぇ!好きな食べ物が“たまたま”お子様メニューにも入ってるだけだっ!!」




だけど、そう言って反論するその耳が少しばかり、赤くなっているのは怒っているせいだけではないはず。






< 484 / 589 >

この作品をシェア

pagetop