銀白虎
だけど正直、要くんが来てくれてホッとしてる自分もいる。
竜くんの醸し出していた空気が、幾分か落ち着いたから。
「俺、ミートソースにしようかなぁ。飛鳥さん、何にしますー?」
「…あ、じゃあイチゴパフェにしようかな」
今からがっつり食べたら、夕飯食べれなくなっちゃうし。
「イチゴパフェ、かぁ」
あたしが言ったのを繰り返して……チラッと、竜くんの方を見た要くん。
なんだろう?
「竜は、オムライスでいいよな?」
聞いた言葉は、イチゴパフェとは、まったく関係なかった。気のせいかな。
「…………ああ。」
かなり溜めてから、頷いた竜くん。
「あ~、飛鳥さんに知られたのが恥ずかしいんだろー?こいつこんな態度だからあれだけど、見た目通り、オムライスとかハンバーグとかお子様メニュー的なものが大好きなんですよ」
要くんは怖いもの知らずだと思う。
にこにこと隣から笑いかけてきて、
あたしの方が前から凄い勢いで飛んでくる殺意の籠った視線に、ひやひやした。
「恥ずかしくなんかねぇよ!だいたいお子様メニューが好きなわけじゃねぇ!好きな食べ物が“たまたま”お子様メニューにも入ってるだけだっ!!」
だけど、そう言って反論するその耳が少しばかり、赤くなっているのは怒っているせいだけではないはず。