銀白虎
小さな愛情表現
要くんが帰ってからの帰り道、
やっぱり最初と同じように竜くんは無言だった。
まあ、仕方ないよね…。
いきなり仲良くなれるわけないもん。
とりあえず、竜くんの好きな食べ物が知れただけでもよかった。
要くんに、感謝だ。
「あ、」
あたしが立ち止まって間抜けな声を出すと、竜くんは声は出さないもの、振り返ってくる。
「…なに」
嫌そうな顔をして、すぐに目を逸らされたけれど、それでも用件は聞いてくれる。
少しだけ、嬉しくなった。