銀白虎
いろいろと思案を巡らせていたあたしの耳に聞こえたのは、はあと盛大な溜め息の音。
顔をあげると、竜くんはなぜだか疲れたような顔をしていた。
「…別にそんなのない。適当に気づいたやつが買ってきたり、他のやつに買いに行かせたりしてる」
「そっか~。じゃあ、今買っていっても問題ないね!」
「はっ!?」
前へと戻した顔をまたこちらへと振り返った。
その瞳は訝しげにあたしを見つめては、眉間に皺を寄せる。
「ん?…なんかついてる?」
「ばっかじゃねーの?お前人の話ちゃんと聞いてたのかよ!?」
「えっ?…うん。ちゃんと聞いてたよ?」
「じゃあなんでそうなるっ!?」
「え?」
きょとん、と。わけがわからない。
あたしなにか変なこと言ったっけ?
とにかく、竜くんを怒らせてしまったみたいだ。