銀白虎
「お前もちったぁ大人になったかな」
まるで父親のような、暖かい眼差し。
「あ?俺は生まれた時から大人だよっ」
「ちょーしのんな、高校生のガキが」
ふふふっ。
思わず二人の会話に笑ってしまう。
「おまえ、わらってんじゃねぇ!」
あーあ。案の定、竜くんに怒られてしまった。
それでも、笑いは収まらず。
「さっさと中入れよ!重いだろうがっ」
「ふふっ。はーい」
怒られても、なぜだか冷たく感じない。
きっとそれは、要くんのおかげなんだろうな。
「竜くん、ありがとね」
結局台所まで運んでくれて、そこに荷物を降ろす竜くんに声をかけた。
「別にお前の為じゃねぇし」
そう呟くと、何処かへと消えていった。
………多分、自分の部屋かな。