銀白虎





「さっきから神崎が気持ち悪いのぉ~」


なんて言うので、とりあえずそちらに顔を向ける。


ーーーーたしかに、これは危ないかもしれない。





「もうさっきからずーっとこの調子なのよぉ」



胸元辺りで手を組み、そこに額をつけた格好でブツブツと何かを呟いている。まるで呪文でも唱えているみたいだ。


こ、こわい……。




「か、神崎くん?」


とりあえず、話しかけてみる。



すると、顔を上げて「…ああ、結城か」と呟く。

よ、よかったあああ……とりあえず反応してくれたよ…。



「あ、あの、神崎くん大丈夫?何かあったの…?」

そしてすかさず、問題の本題に入るため、恐る恐る聞いてみた。



「……いや、ただ恐ろしいだけだ。」

「えっ?」

「………あいつは人間じゃねぇ。サイボーグかなんかだ絶対っ!」


うーんと、なんのことでしょうか?

全くもって話が見えない。



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