銀白虎
「あいつにあったのか!?どこで!?」
そして、ものすごくスピードで詰め寄られる。
………と、とりあえず、元気になってくれたみたいなので良かったんだけど…。
「え、えっとぉ」
なんせ勢いがすごいもんで、さっきとのギャップが………これはこれで怖いかもしれない。
「友達と歩いてたら偶然会って…」
友達というのは、竜くんのことだ。
なんていっていいかわからないから、とりあえずこれでいいだろう。
「あいつ!ほんとちゃっかりしてやがる…!」
それでも、納得いかないらしい神崎くんはなぜか悔しがってる。
うむ、やはりこの兄弟は格差があるよなー…。
「あ、でも。要くんがいてくれて本当にありがたかったの。だからもう一度お礼いっといてもらってもいいかな?」
そうそう、結局あの時ちゃんとお礼を言えてなかった気がするし。
「……くっそ!やっぱりあいつ帰ったらぶん殴るっ!」
ええ!?なんでぇ!?
「ちょ、ちょっと、兄弟喧嘩はダメだよ?」
「いや、これは兄弟喧嘩じゃねぇ。男として、避けられない戦いなんだよ。だから結城、止めないでくれ」
う、うん?なんかかっこ良く言ってるけど…全然わからないからねっ?!
兄弟が居たことがないあたしには、わからない未知の世界なんだろうか。
兄弟って、不思議だ。