銀白虎
「あ、飛鳥ちゃん!」
帰り支度をしていれば、クラスの子に話しかけられた。
「なに?」
「あのね、担任の先生が職員室までくるようにって」
「え? ほんとに?」
うん、と頷くとじゃあ、わたし部活あるから!と去って行く。
なんか呼び出されるようなことしたかなぁ。最近授業中ぼーっとしてたのがばれたかな。でもな~、そんなことでいちいち呼び出さないだろうし。
なんだろう、と疑問は残るものの、とりあえず行けば解決するか。
それにしても面倒なことになったな…。
とりあえずこのことを蓮見くんにメールしとかないと
また遠山さんを待たせてしまったら悪いし。
担任に呼び出されたので、少し遅れます。と入力し、送信する。これでよし。
終わったらすぐ行けるように、支度した荷物を全部持って教室を出る。
気付いたら、教室にはあたし一人しか居なかった。