銀白虎






放課後の廊下は静かだ。



でも、いくつかの教室からは、まだ賑やかな声が聞こえる。


きっと部活に所属していない人たちが、お喋りに夢中なのだろう。






その為か、普段は気にならない靴の足音が、妙に響く気がした。




職員室は一階にある。なので階段を一階分降りればいいだけだ。

さっさと済ませて帰ろう。




「失礼します」といって、職員室の扉をあけた。


キョロキョロと、担任の姿を探してみるが、見当たらない。おかしいなぁ。


「誰に用だい?」


近くの席にいた白髪混じりの先生が、聞いてくる。



「あ、えっと担任の………」

「ああ、社会科の斎藤先生かね?んーいないみたいだねぇ。もしかしたら社会科教室かもよ」


「そうですか…。ありがとうございます」




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