銀白虎




確かこの先の階段を降りて、すぐ右に曲がったところに社会科教室があったはず…。



さすがにここには居てよ〜。なんて心の中で祈りながら、ゆっくり階段を降りていく。



静かすぎて、なんだか落ち着かない。





今日の夕飯はなんだろうなー。


確か、今日の当番はクラさんだから………きっと、カレーかな。


結構こだわり派なので、玉ねぎをみじん切りにしたのを炒めてルーに混ぜたり、隠し味にチョコレートを入れたり。

色々、試行錯誤中らしい。


今日の隠し味はなんだろう。楽しみだなぁ。




自然と、口角があがる。

家に帰るのが、楽しみなんて。



ーーーーーなんて、幸せなんだろう。


蓮見くんの、おかげだ。


やっぱり、早く帰ろう。

早く帰って、クラさんのカレーが食べたい。



よし、そうと決まれば、さっさと用事を済ませよう!


気合いを入れ直して、社会科教室のドアをノックした。



…あれ?

返事がない。

いないのかな…?

でも、社会科教室って言ってたしなぁ。


一応、失礼します。と言って、ドアを開けた。



ーーーーー瞬間、何が起きたのかわからなかった。





わかったのは、


強い衝撃と、痛みーーーーー。








< 522 / 589 >

この作品をシェア

pagetop