銀白虎
確かこの先の階段を降りて、すぐ右に曲がったところに社会科教室があったはず…。
さすがにここには居てよ〜。なんて心の中で祈りながら、ゆっくり階段を降りていく。
静かすぎて、なんだか落ち着かない。
今日の夕飯はなんだろうなー。
確か、今日の当番はクラさんだから………きっと、カレーかな。
結構こだわり派なので、玉ねぎをみじん切りにしたのを炒めてルーに混ぜたり、隠し味にチョコレートを入れたり。
色々、試行錯誤中らしい。
今日の隠し味はなんだろう。楽しみだなぁ。
自然と、口角があがる。
家に帰るのが、楽しみなんて。
ーーーーーなんて、幸せなんだろう。
蓮見くんの、おかげだ。
やっぱり、早く帰ろう。
早く帰って、クラさんのカレーが食べたい。
よし、そうと決まれば、さっさと用事を済ませよう!
気合いを入れ直して、社会科教室のドアをノックした。
…あれ?
返事がない。
いないのかな…?
でも、社会科教室って言ってたしなぁ。
一応、失礼します。と言って、ドアを開けた。
ーーーーー瞬間、何が起きたのかわからなかった。
わかったのは、
強い衝撃と、痛みーーーーー。