銀白虎
なのに、ーーーどうして?
やっぱり"はい"と、頷くことができなくて…………。
自分の立場を悪くするってわかってるのに…
言いたくない、と思ってしまうーーーーー
「それは………できま」
「ーーーーー知ってるのよ?」
がらりと、声色が変わったのがわかった。
それはとても低い低い声だった。
ーーーーー心臓が、冷やっとした。
嫌な、予感がしたのだ。
ーーーーーもしかして、彼の家に居候してることがばれてしまったのだろうか?
でも、バレないように別々に"あの場所"で待ってもらっているし、朝だっていつも細心の注意を払っているし、一緒に降りたことはない。
一体どこで…。
「なんのことですか…?」
「見たんだから。あなたが王子と一緒に歩いているところを何度も」
いつのことだろう。
そんなこと、あっただろうか…?
「見間違いではないでしょうか?もしかしたら委員会の帰りで一緒になったのかもしれませんが…」
「あなた、王子が好きなんでしょう?」
ーーーーー息が、止まるかとおもった。