銀白虎
「若、お疲れさまでした。飛鳥ちゃんも、おかえりー」
「た、ただいまです」
久しぶりにあった気がするけれど、この人のノリってやっぱり”ココ”の人っぽくないな、と思ってしまう。
「虎はさっそく"そこ"にいるんだ」
笑いながらそういって、私の腕の中にいる虎丸ちゃんを眺める。
「なんか大変だったみたいだね?お疲れさま」
あくまでも変わらずに、軽く言ってくるけれど、彼の目線は私の髪の毛へと辿っていて、おそらく何があったのかなんてお見通しのような気がした。
「短いのも可愛いねぇ。俺、こっちの方がタイプかも♪」
「……ありがとうございます。それより、この騒ぎは一体…?」
「それよりって、冷たいなー。この騒ぎのこと?あれ、発端なのに気づいてなかったんだ?」
「え……」
発端なのにって、私が…?