銀白虎
……………なんだか、うまく寝付けない。
理由はわかっている。
『あの子は変わってしまったわ………』
玲子さんのあの言葉が、頭の中から離れないのだ。
"タカ"
彼女が漏らしたその人物の名前はきっと、
ーーーーーいなくなったという、蓮見くんのお兄さんのことだ。
踏み入れちゃいけない………そんな信号は、何度も私の中の第六感のようなものが訴えてくる。
だってこれは間違いなく、蓮見くんにとっての"地雷"だから。
だめだ、だめだ。
とりあえず、あったかい紅茶でも飲んで落ち着こう。
パジャマの上にガウンを羽織って、廊下に出た。
ーーーーーーそこにあったのは、デジャブかと思うくらい、前の時の光景と同じだった。