銀白虎




ようやく教室について、自分の机を漁れば、お目当のものがしっかりとあった。


「はぁ、よかった~。忘れるなんて、だめだなぁ」


忘れ物なんていつもはしないのにな……。

気が抜けてる証拠かもしれない。もっとしっかりしなくては。



っと。悠長にはしていられないんだった。

出る前に、蓮見くんに言われた言葉を思い出す。



「もし10分以内に戻ってこなかったら、今度からお前の携帯にGPSを仕込んでやるからな」


………その時のあの眼は、確実に本気だった。

しかも、彼ならわたしが気づかないうちに、容易く出来てしまうだろう。




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