銀白虎
これは、何が何でも早く帰らなくては。
とにかく、急いで戻ろう。2人にこれ以上、迷惑もかけてられないし。
なんて思い、振り返ると。
「うわっ!」
完全に1人だと思っていたのに……。まさかの人がいて驚いた。
しかもそれがーーーーー神崎くんだったので、二重の意味でびっくりした。
「なんだ、神崎くん。声かけてくれればよかったのに」
「いや、声かけようと思ったんだけど、なんか結城が1人で喋ってたから、なんとなく声かけづらくて」
はっ!まさかさっきの独り言が聞かれていたとは……。恥ずかしさのあまり、顔が熱くなる。
「な、なんかごめんね……」
「いや、へーき」
うう、恥ずかしい。