銀白虎




『結城さん、私達の誤解だったようね。申し訳なかったわ、ごめんなさいね』



生き返った部長さんがあたしにそう言い、先輩方は帰って行った。





『もぉ〜飛鳥〜、そういうことなら言ってくれれば良かったのにぃ』


席につくと亜美がぷくーっと頬を膨らませていた。


「…ごめん」


あたしはぐったり疲れ、机になだれ込んだ。



『でも、王子と文化祭委員なんて羨ましいなぁ♪』


何も知らない亜美ちゃんは、あたしのことをさぞ羨ましそうにしていた。



「…なら亜美代わってよ…」


『えっ!無理無理!だって王子たっての推薦なんだからっ!飛鳥、頑張りなよ〜★!』




亜美さん……あたしだって無理ですよ。


あんな奴となんて、絶対無理です。









誰でもいい…

誰でもいいから


誰か代わってくれ……。






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