銀白虎
それはやっぱり面白い光景で。
あたしもついでに転校生君をよく観察してみる。
廊下側から2番目の、
前から2番目に座っているそいつは、
ちょうど窓側から2番目のの1番後ろのあたしからは見やすい。
ふむ。
確かにカッコイイなあ…
後ろ姿でさえ、
そいつは綺麗だった。
その少し横顔が見える角度だと、彼のシャープな顎がとても引き立って見えた。
チッ、
あたしの隣から舌打ちが聞こえた。
隣に視線をやると、
神崎くんが机に肘をついて
頬杖をしていた。
明らかに不機嫌そうだ。
ありゃりゃ…
昨日までこのクラスで
1番モテていた神崎翔。
どうやら世代交代みたいだね、神崎くん。
可笑しくって、ふふっと笑ってしまう。
『なんだよ?』
あたしが笑っていることに気付いたのか、不機嫌そうな声が飛んで来た。
「いえいえ、なんでも!」
笑顔でそう答えると、
気に入らなかったのか
打て腐れて窓の方を向いてしまった。