銀白虎
「俺もそうしてくれると非常に助かる。けどお前を遠ざけたら、どこで誰に言うかわからない。それならいっそ、近くに置いて監視した方がいいんじゃないか、ってな」
な…なにそれ!
「だ、誰にも言わない!絶対言わないから!」
「信用出来ない」
な…っ!
「…っなによこの裏表男っ!!」
あ、ヤバイ。
思わず口から本音が……。
……恐る恐る顔をあげる。
蓮見くんは鬼の形相…ではなく、にっこり、そりゃもうキラッキラッの王子スマイルであたしを見ていた。
…余計怖いです!!!
あたしは、身体を後ろにのけ反った。
「…あんた分かってる?」
「な、にが、でしょう…?」
あまりにも恐すぎて、ついつい敬語気味になってしまう小心者な自分に、泣けてくる。
「…この階には誰もいない」
さっき自分で言っていたことを繰り返す、蓮見くん。
「教室には、俺とあんたの2人…」
顔をあげると真っ直ぐ、目が合った。