銀白虎
む。
「…違うし」
「赤くなったじゃん」
「知らないし」
「ほらっ」
蓮見くんが自分の手の甲をあたしに見せてくる。
やっぱり赤くなってた。
分かってるよ…そんなの
けど、ごめんね、の言葉が素直に言えない…。
いや、言いたくない。
なにムキになってるんだろう、あたし…。
子供じゃん。
馬っ鹿みたいあたし…。
けど、蓮見くんの瞳から無意識に逃げていることは自分でも分かった。
どうしてか、
その瞳はすべて見透かされそうで…恐い。