銀白虎
「あんたさ、なんかおかしくない?」
核心を突かれた。
「…全然普通だよ」
「は?なら――…」
ガラッ
教室のドアが開く。
ビクッとした。
けど、その人物が見えて。
「あれ?……結城…?」
…たまらなくホッとした。
「神崎くん…」
すごく、安心する。
スポーツバックを抱え、いかにも部活終わりの格好の神崎くんが教室に入り、こっちの方へと歩いてくる。
「…どーしてまだいっ……あ、蓮見……」
げっ。
って感じの顔に変わる神崎くんに、小さく笑った。
「文化祭のことで残ってたの」
そんなこと、何一つ話し合ってないけど、嘘じゃない。
「そっか…」
「神崎くんはどうしたの?」
「…あぁ……忘れ物してさ!」
そう言って自分の机を漁る。