銀白虎
もう一度彼に視線を向ける。
確かに転校生君は
顔がとても整っている。
鼻筋が通り、
目が綺麗で、
眉は自然な感じで、
唇も薄めで形がよく、
彼を作るパーツすべてが完璧で…。
むしろ整いすぎているくらいだ。
どうやったらこんな人間が生まれるんだろうか?
親の顔が見てみたい。
だけど……
あたしは、そいつの髪が気になる。
この学校はお世辞にも頭が良いとは言えない。
つまり、不良が多いのだ。
そして特に金髪が多い。
あたしは軽く茶色に染めているだけだけども。
男子は特に金髪やメッシュがほとんどだ。
でも
彼の頭は――銀色だった。
全部なわけじゃない……所々が銀がかっていて…
全体的にはグレーでアッシュっぽいんだけど…
先の方はもろ、銀だ。
…綺麗、だった……
金じゃなくて銀かよ?って思うよりも先に、ため息がでる程彼にとてもよく似合っていた。
金髪は見慣れているけれど、
銀髪は初めて見た。
まるで整いすぎた彼にしか許されない、色のようだった。