銀白虎
……やばい。
すっかり自覚がなかったが、神崎くんが帰ったら蓮見くんと2人になるんだった…。
神崎くんに、今すぐにでも電話を掛けたい…。
2人黙ったまま、まだ立ち止まったままだった。
「あの、ある…」
…く?って!
そうだ。そもそも蓮見くんがあたしを送るはずないじゃないか。
さっきまでは神崎くんが居た手前しょうがなくだろうし。
きっと、
「は?ふざけんなよ。誰がお前を送るんだよ。送るわけないだろう?」
って言われるに違いない。
それに、わざわざ一緒に帰ることはない…。
なら、さっさと逃げよう!
「…じゃあ蓮見くんバイバ」
「家まで送ってやるよ」
……今なんて?
「へ?」