銀白虎
「送る、つったんだよ」
は…い?
大丈夫ですか、あなた。
「蓮見くん…大丈夫?」
どっかで頭打ったんでしょ!!
「あ゙?」
こっちを振り返り凄まれる。
凄むなよー!!
普通に恐いし!!
……本当で送ってくれる気なのかな?
かなり迷惑なんですけど!
丁重にお断りしたいんですけど!
そう思いながら恐る恐る蓮見くんを見ると、もう歩き出していた。
えっ!?
慌てて追い掛ける。
そして近くまで行って気付いた。
…あたし何追い掛けてんの。
追い掛ける必要ないのに!
なんかもう、反射だ…。
はぁ…と小さく溜め息をつきながら、
あえて止まって距離をあけるのも不恰好なので、そのままついていく。
はぁー。
なんでこんなことに。
せめて、家の手前までにしよう…。