銀白虎
蓮見くんはこっちを見て睨んでいる。
その切り目で目を細められると、ほんとに迫力がつくと思う。
恐いし!!
てか無言ってとこが更に怖いっつーの!
「…い、今のは、個人的な意見!っていうか……ほらっ!好みって、人それぞれだと思うし…っ!」
あたしは慌てて、フォローを入れる。
そりゃもう必死に。
命はまだ惜しいのだ。
「へぇ?」
興味もなさそうに言葉を吐く。
もしかしたら、フォローなんて無駄だったのかもしれない。
蓮見くんが動き出し、あたしに近付いてくる。
やばいっ!
これは本気で殴られる…っ!!
あたしはとっさに目をつぶった…。
へ……
生暖かい感触。
一瞬息苦しくなる。
「…お前、ムカツク。」
そんな言葉を残して、呆然としゃがみこむあたしを置いて、去っていった。