銀白虎
「…そんな落ち込まなくてもさ、ねっ!魔女なんて美味しい役だよ?」
笑ってしまって申し訳ない…
すごく落ち込む神崎くんを目の前にし、今更後悔する。
しかし、あの顔はサイコーだった…。
あたしはその顔を思い出してしまい、バレないようにぶぶっ…と笑う。
「結城、バレてんぞ。」
ありゃ、バレてしまったか。
「…ご、ごめんね?」
えへっ。と笑ってごまかしてみた。
「もーいーよーだっ。どうせ俺はくじ運悪いですよ!魔女ですよー!」
…やばい。神崎くんの多少意味のわからないいじけっぷりが、たんまんなく可愛いぞ。
よしよし撫でたくなってきた。
「…いいよ!魔女やってやるし!どんとこいだっ!
『鏡よ鏡よ鏡さん。この世で1番美しいのはだぁれ?』」
神崎くんが声をかけて魔女の真似をする。
や、やばっ
「ぶっ!ダメ…似合いすぎっ!!」
あたしはあまりのなりきりぶりに、爆笑してしまった…。