メリージンクス!!
「あれ、もう一人は?」
「あぁ、アイツさ、俺らが帰ったらまだ歌が中途半端に残ってて、ちゃんと歌い切ったら来るって」
「3人とも由宇の同級生みたいですけど、もう一人もそうですか?」
未紗が聞く。
未紗がそう言うまで私がそういうことに気付かなかった。
「まあ…そうだな」
「誰?」
「当ててみろよ!!」
ひろは私をからかう。
私もムキになって片っ端から名前をあげていく。
「石川・川崎・佐々木・清水・田中・野中…」
ガチャッ
いきなりドアが開き、男の人が入ってきた。
その瞬間、ドアの目の前にいた私はちょうど彼と目が合ってしまった。
私は一気に心臓が飛び上がった。
「…小野?」
「正解!!」
ひろがそう叫んでも、私も小野も視線を反らさなかった。
驚きの中で起こったことだけど、周りの人から見れば、見つめ合っているととらえられる。
それでも私はよかった。
ジンクスが利いたのだから。