純愛
次の日の朝―。

「頭・・・痛い・・・。」

次の日の朝になっても、頭の痛みは治っていなかった。

♪~♪♪~♪~♪♪~♪

「もしもし・・・昂樹?どうしたの?こんな時間に。」

今は朝の6時40分。
こんな時間に昂樹から電話なんて・・・。

「今日、俺ん家来ない?」

「いいの!?何時からにする?」

行くんだ・・・!
初めて昂樹の家に行くんだ・・・!
「10時からでもいいか?」

「うん!いいよ!」
「じゃあ後でね!」

電話一方的に切っちゃった・・・。

昂樹はいつも私を最優先に考えてくれて、私の考えてることも全てお見通しで・・・。

早く準備して行かなくちゃ!

ガチャ。

階段のところで一度、足がフラついた。

「これくらい大丈夫・・・。」


でも・・・。

「痛い・・・っ!痛い。痛いよぉ・・・っ!」

頭を締め付けられるような激痛が走った。
そして、そのまま路上に倒れ込んでしまった。



「紗実!大丈夫か!?」

昂樹の声・・・。
ごめんね昂樹・・・。
また、助けてもらっちゃったね・・・。

今度は私が昂樹を助ける番だね・・・。


目を開けて、私は一瞬、瞬きを繰り返した。

昂樹が、涙を流していた。

「昂樹・・・?どうして・・・どうして泣いているの?」

私にはわからなかった。

そして昂樹は私にこう言い残していった。

「今までありがとうな・・・。別れよう。」

昂樹・・・?

昂樹は行ってしまった。

私に『別れ』を告げて・・・。

どうして・・・?

私にはわからない。

理由を知りたかった。

別れるのであれば、最後に理由だけを教えてほしかった・・・。
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